2013年07月26日LKM博士
海外出張報告 ―ゴードン会議出席②―
昨日の続き(昨日ブログを読んでない方は、是非、そちらを先に)
お決まりの、
「このような素晴らしい会議で自分の研究を紹介する機会を与えて頂き、
どうのこうの」というセリフから始めた。
練習では、このセリフですらスラスラ言えないのに言えた!
すると、落ち着き英語が出てきた。
その後は、勢いで押し切った。
直前に、どうしても英語が脳裏に出てこない文章は、
上手にスライドに組み込んだのが功を奏した。
後から聞くと、Increase(増加)とdecrease(減少)を間違うなど、
どうやら、色々とミスはあり無茶苦茶だった箇所もあったようだが、
スライドのグラフを挿しながら喋ったので、
会場も理解して、「あー、喋り間違ってるわ」と思う程度で、
本質には問題無かった
...と思う。
途中で、調子に乗ってウンコネタを挟んだが、きっちりうけた!
...と思う。
会場からたくさん笑い声が聞こえたし、
終わってから「ウンコネタで笑わすのはずるい」と言われたので、間違いない。
引き続き恐怖の質疑応答。
会議の目的はディスカッションであるため、
私の英語力不足でそれに支障が出るのは好ましくない。
従って、事前に、いざという時には助けてもらおうと、
英語ペラペラ日本人に前の方に座ってもらっていた。
でも、普通の話声が届く距離ではなかった。
それにしても欧米人は、何故、あんなに喋るのであろうか?
知りたいことを尋ねるには、短いフレーズで可能な内容の場合でも、
つまりYes, Noで応えられる内容でも、
質問前に自分の感想等を延々と話す人がいる。
頑張って聞いていても、わからん単語が1つ、2つと重なってくると、
「この人は一体何が言いたいんだ????」と私のウンコ色の脳ミソが混乱し始める。
そうなるとアウト。
もう殆ど理解できなくなる。
例え、Yes, Noで応えられる簡単な質問でも。
また、会場には2つマイクがあり、一人が質問している間に、次に質問したい人が手を挙げ、座長が次の質問者にマイクを運んで渡すシステムである。
これが、チラチラと目に入り集中できない。
「まだ質問来るんか?」
「うわ~、向こうの方で3人も手を挙げてる。」
「あの人めっちゃ喋るの早い人やんけ~、やばい」
半分位は裁けたと思うが、半分位は開き直って聞き直したり、
英語ペラペラ日本人に助けてもらったりして、何とか乗り切った。
...と思う。
少なくとも私にはやり切った感があった。
そして、最も心配していた「ポリアミン悪者説」派からの喧嘩腰の質問はなかった。
私は数回、
「我々の取り組みはガン細胞ではなく、正常細胞を対象にしている。
正常細胞にとってポリアミンは絶対に欠くことができない重要な物質である。
ガン患者を相手にしているのではなく、健常人の健康維持を目的にしている」
と繰り返したからかもしれない。
反対に、同調してくれる研究者は複数いた。
終わった後、手先、足先が痺れて止まらなかった。
体内のグルコースを使い切ったのか、朝飯抜きの昼前の様な症状だ・・・。
そして、便所の鏡で、威嚇用のヒゲがまだ殆ど伸びていないことに気付いた。
そんなものは必要なかった。
ただ、パーカーの下の春日野部屋Tシャツに気が付き、悔しかった。