2018年10月16日LKM博士
古い友人
研究をしていく上で、大学の研究室での経験は極めて大事なことである。
そこで学んだスキルはもちろん、姿勢や習慣も、その後の研究生活に多大な影響を与える。
今の大学事情は十分には把握していないが、
20年前の理系の研究室は、多くの大学院生は寝る時以外は殆ど研究室で過ごす生活をしていた。
土日も殆ど関係ない(とはいえ、土日は先生が来ないのでリラックス・モードではあるが)。
従って、同じ研究室のメンバーは、「同じ釜の飯を食った仲」という表現が最適である。
私が修士課程の時の2人の同期生は、特にそういう関係である。
3人で代わる代わる先生に怒られていた記憶は今でも鮮明に残っている。
もちろん、3人まとめて叱られていた時も多い。
そんなメンバーの一人が、インドネシアのスラウェシ島で大学教授をしている。
インドネシアから来た留学生であった。
数週間前、私にとっての第一報は、運転中のラジオから届いた。
聞き慣れた島の名前なので、乾いた土に水が染み込むように耳に入って来た。
スラウェシ島で大地震が起き、巨大津波が街を破壊したニュースである。
友人にメールを送った。
しかし、返事は来ない。
次の日も、次の日も。
そもそも、発展途上の島である。
通信手段は普段から悪いはずと脳内で片付けて、仕事に集中していた。
そんな状況下、昨日、一通のメールが...。
無事だった!
震源地から離れていて、直接的な被害は受けなかったようである。
ただ、治安はかなり悪いらしい。
刑務所から1000人規模の収容者が脱走もしているようである。
とりあえず、信頼できるところに募金をしてみようと思う。
彼個人の生活より、島全体の治安やライフラインの回復が重要なようなので。