2012年03月08日LKM博士
先日の論文を解説します!(漢方薬活性型ビフィズス菌)③
一昨日、昨日の続き、大黄の有効成分センノシドを腸内で分解して
薬効成分レインアンスロンを産生して腸の蠕動運動を活性化させる技術の開発です。
試験管レベルで良い結果が出れば、次はマウス実験になります。
「本当にセンノシド分解に腸内細菌が関与しているのか?」
まずは抗生物質を経口投与してみました。
結果は歴然!
何も与えない(対照)マウスでは、センノシド投与で明らかに下痢気味になるのですが、
事前に抗生物質を投与するとセンノシドを投与しても全く効きません。
糞便中に残っているセンノシド含量を測定してまた驚き。
対照マウスは、センノシドが殆ど残っていないのに、
抗生物質投与マウスは、たくさんのセンノシドが分解されずに糞便中に出てきます。
次に、抗生物質を投与したマウスに、昨日のブログで書いたビフィズス菌を投与して、
その後にセンノシドを投与してみました。
結果は明瞭!
きれいに下痢気味になり、糞便中センノシド含量は激減しました。
最後に、実際の蠕動運動を測定してみようと炭を経口投与し、
それが流れるスピードを測定してみました。
抗生物質投与後、ビフィズス菌を投与し、センノシドを投与し、その後に炭です。
ビフィズス菌を投与"あり"、"なし"で比較しました。
結果は完璧! こんな感じです。
ビフィズス菌を投与しているマウスの方が、炭の流れるスピードが速く、
蠕動運動が活発になっていることが証明できました。
と、3回シリーズでまとめましたが、空き時間の実験なので5年以上かかった仕事です。
そして、初めて、社内で他のメンバーにきっちり手伝ってもらって実施した試験です。
矢澤さん、近藤さん、ついでに助手K(彼は最後のおいしい所のみを手伝っただけなので)、
ご苦労さまでした。
さあ、便秘でお困りの皆様、センノシド系漢方便秘薬とLKM512をお試しあれ!