2011年04月14日LKM博士
コンタミ
理系の方で無い方は、あまり馴染みがない言葉かもしれませんが、
我々が実験を実施する上で最も恐れているものの一つです。
最近は停電の方が怖いですが...。
正式にはコンタミネーション(Contamination)の略で"汚染"を意味します。
リーダーズ英和辞典でみると、1番目に「特に放射能による汚染」と書いてありますが、その話題は今日はやめておきます。
試薬の汚染というと、何か汚い埃などが入ると思われるかもしれませんが、それもコンタミではありますが、実験以前の問題です。
そのようなコンタミを防ぐため、生化学の実験室は部屋の窓は余程のことが無い限り開ける事はありませんし、器具の蓋の開け方、洗浄の仕方もリスクの少ない方法で実施します。
我々が日々経験するコンタミは他の試薬などが無意識の内に少し混入するイメージが良いと思います。
微生物実験ですと、培地中に目的と違う微生物が混入したりすること等を意味します。
生化学研究は、コンタミが無い実験系で実施することが最低限の条件でしょう。
細菌Aの機能を調べているのにBが入っていては何を調べているのかわからないですから。
DNAを使う実験なども、うまくいかない場合、まずコンタミを疑って、試薬などを作り直すと成功することが殆どです。
それにしても不思議です。
日本人は実験中に英語で会話しているわけでもないのに、Contaminationという英語を使い、長いからと略して使っているのですから。
日本語の"おせん"の方が3文字で短いのですがね。
ところで、ウンコ実験の場合のコンタミとは存在するのでしょうか?
そもそも食べカスと細菌と水分で構成されおり、存在自体がコンタミかもしれません。
扱っていると、未消化の人参やキノコ類はコンタミのように思いますが、あれも立派なウンコの一部です。
私は、採取時の"便器の水"が実験のデータを狂わすのでコンタミと思っています。
私が実施する試験は、絶対に水につけないで採便するようお願いします。
ウンコと水、水の方が汚染源という特殊な世界にいるということを再認識し、本日は終わりたいと思います。