協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2009年04月15日LKM博士
研究者らしく!

前回の文章、
"11年間の研究で、LKM512が従来のビフィズス菌と比べ非常に強く、
腸内で増えることを発見しました。
また、増えたLKM512の作用機序を詳細に研究し、
腸内で産生されるポリアミンという物質に注目しました。
LKM512が腸に届くとポリアミンが増えて、
その作用で病気の発信源である大腸の機能が回復するのです。
その結果、様々な疾病予防に効果的であることが確認できました。"

を、研究者として書き直すと、
こんな感じでしょうか。

"これまでの研究で、Bifidobacterium animalis subsp. lactis LKM512は他のBifidobacterium属の菌株と比較して、非常に強い耐酸性と腸管ムチン接着性を有し、経口摂取後に腸管内で増殖することが認められた。また、LKM512の保健効果の作用機序を研究する過程で、腸内細菌が産生するポリアミン(PA)の重要性に着目してきた。PAは細胞増殖因子としての作用をはじめ、免疫調整作用、抗変異原性など多様な生理活性が報告されており、大腸のバリア機能を含む生理機能や疾病に大きく関与していると考えられる。一連の研究で、LKM512摂取後、この菌株が腸管内に到達・増殖することで腸内菌叢が変動し、腸内PA濃度が上昇し、そのPAの作用で炎症抑制、腸内変異原活性の低下、腸管バリア機能の上昇、アトピー性皮膚炎の軽減および様々な老年病予防に有効に作用する可能性が高いことが確認された。"

どうでしょうか? 
ちゃんと読まなかったのではないでしょうか?

ふと、このブログで気が付きました!

そもそも、研究論文を「です、ます」調の丁寧語で書くことはあり得ないのです。
「だ、である」調で書きます。
どうやら、私は、
「です、ます」調で書くことで、研究者らしくない文章を書くことにスイッチが変わっているようです。

今思い出すと、当初(下書き)はブログも「だ、である」調で書いていました。
これを「です、ます」調に修正する、しないで、
マイさんやサトシ君と議論したことを思い出しました(結局私が折れて修正しました)。

でも、たまにはウンコ研究の秘話をする時などに、
「だ、である」調で強く断定した文章を書いてみたいです。

「私はウンコ実験をすると、カレーを食べたくなる!」

どうでしょうか?
力強い一言でしょう?

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