協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2017年04月04日LKM博士
奇跡的な生還

久しぶりにカエルの話題をする。
冬眠中は、きっちりと低温環境に置くべきであるので、
たっぷり水を含ませた水苔の寝床をセットして屋外に放置している。


確立した水苔を使った冬眠法はこのブログを参照
「目覚めよ本能」


先週の金曜、土曜日は結構な雨が降っていた。
日曜日にふと気が付くと、冬眠中のカエルの飼育ケージに水が溜まっていた。
カブトムシ等を飼育するケージなので、蓋は網目状で雨が降れば水は入ってくる。
それを防ぐため、蓋の上に小さい簾をかけている。
ところが、その簾が風か何かで外れていた。

すなわち、カエル達は生き埋め状態で水没していたのである。


「・・・・・」  死を確信した。


オタマジャクシでなくカエルは肺呼吸なので、
水没したら呼吸ができず生きることはできない。
危険を察知しても、冬眠中で体は動かない。
冷たい雨水の中、変温動物なのでなおさらである。
カエルを使う研究では、氷水に入れて動きを止める(鈍くする)と聞いたことがある。


かわいそうなことをしたと反省しながら、
水を捨て、水苔をひっくり返して遺体の捜索をしたところ、
ゴロっと出てきた。


2秒後、モソッと動いた!!!
「冬眠中やけど、なんやねん?」
という不愉快感丸出しの感じで。
2匹とも生きていた!


170405.jpg


何故、彼らは生き延びることができたのかは全くわからない。
冬眠で代謝が極端に落ちているとしても、呼吸ができないと死ぬはずである。
水没して24時間は経過していただろう。
何となく、ふやけているかのように体が膨らんでいるような印象を受けたが、
冬眠中の彼らを掘り起こして観察した経験がないので、
これが水没事故によるものか、冬眠によるものか判断できない。


しかし、今回は生物学的なことを余り考えず、
素直に生還を喜ぶことにする。

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