協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
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2013年08月14日LKM博士の勝手にベストセレクション
穴の中の生物③ ―大人編―

この巣穴は初秋~晩秋に発生する。
つまり、夏の間に成虫が卵を産んでいることはわかっていた。
しかし、有名なあのカラフルで美しいハンミョウを畑で目撃したことが無かった。

と、そんなある日、私の腕にハエかアブがとまった。
が、よく見ると甲虫である。
目を凝らして見ると、鋭い牙がある。
ハンミョウである。
いわゆるハンミョウ(ナミハンミョウ)の半分の大きさもなく、体色も地味であるが、
姿形は間違いなくハンミョウである。

とにかく身軽でよく飛ぶ。
素早い。
しかし、ハンミョウの仲間の飛び方は、数メートルから10 メートル飛んでは着地するのが特徴である(地面が多いが、植物上にとまることもある)。
高く、遠くに飛んで行くという飛び方ではない。
となると、本気になった私から逃げられるはずがない。
撮影成功! 間違いなくハンミョウの仲間である。

2013061901.JPG

その名はトウキョウヒメハンミョウ。
東京の小さなハンミョウという意味である。
実際、東京付近を中心に棲息している1 cmにも満たないハンミョウである。


2013061902.png

発達した牙(大顎)と大きな複眼。
両方共に獲物を素早く発見し噛み殺すための武器であり、
体は小さくても獰猛なハンターである。

芦田先生に確認してもらったが、
トウキョウヒメハンミョウで間違いないということであった。

ついに、あの巣穴の幼虫の正体がわかった。

つづく

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