協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2012年06月20日実験器具・機器シリーズ
お世話になっている実験器具・機器シリーズ9 ―96ウェル(PCR)プレート,96-well (PCR) plate―

前回、8連マイクロチューブで、
多サンプルを扱い易いと紹介しました。
しかしながら、我々の研究では、8サンプルでは少ないです。

ということで、今日は、さらに頻度高く使用する。
8連チューブが横に12個並んだ状態の96ウェルプレートを紹介します。
2012062001.JPG


どうですか?
ウェルというのは英語のwellをそのまま片仮名にしたもので、穴のことです。
96穴プレートとも言います。
次は下からのショット。
2012062002.JPG

一度に96サンプルを同時に加熱したり、冷却したり、一斉に同じ処理ができるのです。
タイトル副題が96ウェルPCRプレートとなっているのは、
この写真が、PCR反応に使用されるプレートだからです。
従って、他の用途に使われる形の異なる96ウェルプレートもたくさんあります。
生命科学系の実験は、通常同じサンプルを3回測定し、平均値を結果とするので、
一度に96÷3=32種類のサンプルが同時に実験できます。
つまり、32人分のウンコを同時に処理することができるのです。
また、全ウェルを覆うシールがあり、貼れば全ウェルにきっちり蓋をすることができます。
上からのショットでは透明な蓋がシールされています。

コストですが、半分、すなわち48ウェルを使えば、
残り半分を空のまま使用しなかったとしても、
8連チューブを6本使うよりお得という説明をメーカーから聞きました。
もちろん使い捨てです。

どのメーカーの96ウェルプレートも同じサイズで、
あらゆる機械や道具に適応しています。

使用済みのプレートを山積みしておくと、
めっちゃ実験を頑張っているようなポーズをとることができ、
たまにしか実験室に顔を出さないボス(教授や室長)を簡単に騙すことができます。

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