協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
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2021年01月25日野菜作り
2020年度野菜作っています5

花蕾を食べるタイプの野菜の変わり種で良質なものが収穫できた!
(花蕾は「からい」と読む。つぼみのことである。)

ロマネスコである。

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幾何学的と表現するのだろうか? 独特の複雑極まりない形状である。
色も他の野菜とは少し異なる黄緑色で美しい。
不思議なくらいに他人に見せたくなる野菜で、畑で収穫時に50mほど離れて作業している人に見せて自慢してしまった。

私は最近までロマネスコの存在は知らなかったので、品種改良で新しくできた野菜かと思いきや、少し調べてみると、ヨーロッパではイタリアを中心に16世紀頃から存在して伝統野菜らしい。
ブロッコリーとカリフラワーの掛合わせとするのが一般の農家や家庭菜園をする人達の間では通説のようであるが、少々違和感がある。確かに色や形状は、両者の中間のような性状を示しているが、両者間で交配が成立した結果とするのは短絡的過ぎないか?
育てていると、ロマネスコは様々なポイントでブロッコリーよりカリフラワーに近いと感じる。私は、ロマネスコはカリフラワーの突然変異体と推測している。通常の自然発生的な突然変異で生じた変異体が、たまたま人の手で植え継がれたと推測している(ブロッコリーの遺伝子が半分混じった品種改良的なものではないという意味)。
ちなみに、ますます混乱するが、カリフラワーはブロッコリーの突然変異で生じたとするのが通説である。もう一つ書くと、ブロッコリーはキャベツから品種改良されたとされている。さらに、そのキャベツも・・・(止めておく)
つまり私は、ブロッコリー→カリフラワー→ロマネスコの順でこの世に登場し、たまたま特殊形状が強まったものが人の手で作物化されたと推測している。つまり、ロマネスコはカリフラワーよりブロッコリーに近縁なのではなく、むしろ遠縁であると思っている。
と書いたものの、今は簡単にゲノムを解読できる時代なので、野菜関連分野の研究者が調べれば簡単にわかるような気がする。
私が知らないだけで、専門家の間では既に結論が出ているのかもしれない。

ややこしい話は置いておいて、ロマネスコは私の想定より美味であった。
食感はカリフラワーに近く、やさしい甘さが際立つ。栄養価も高いようである。
サラダとフリッターで食べた。

黄色いカリフラワーも収穫!

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こちらは白いカリフラワーの品種改良品と考えて問題ないであろう。
おそらく気持ちの問題であろうが、白いカリフラワーより美味しかった。

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