2012年06月13日虫
アブとハチの違い
一昨日、昨日とアブとハチを紹介しましたが、
アブとハチの違いはご存知ですよね?
念のため書きます。
系統的にはあまり近くない昆虫です。
まず、ご存知のように、ハチはお尻に針を持っていますが、アブは持っていません。
しかし、これはさすがに捕獲しないとわからんとクレームが来るでしょう。
では、見た目の体の特徴はどうか?
一言で述べると、
アリに翅が生えたようなのがハチ、
ハエのようなのがアブです。
アリとハエの区別ならできるでしょう。
実際、ハチは分類学的には膜翅目に属し、その中にアリもいます。
ハチはアブと比べると、頭と胸の間(おそらく表現は正しくないが首)と胸と腹の間(同じく腰)が細くてくびれがある体型です。
また、触角がある程度の長さがあるためきっちり見え、
眼が比較的小さい(頭の表面積の内、眼の占める割合が少ない)です。
それに対して、アブは双翅目に属していて、ハエやカがこれに属します。
頭、胸、腹の差が無く、くびれが殆どありません。
また、多くの種では触角は相当近づかない限り見えない程短いです。
あんなに短いのに、何故遠くから腐敗した食べ物やウンコの臭いを嗅ぎつけるのかは謎ですが...。
そして眼が大きいです。頭部の半分以上が眼という種が多いです。
また、よく見ると複眼であることがわかることが多く、
カラフルなサングラスの様にメタリックな青色や緑色の眼の種類も多いです。
ちょっと見難いですが、以前紹介したツマグロキンバエを参照にして下さい。
(参照ブログ:まだ活動中の虫)
そして意外と知られていない大事なことがあります。
アブは双翅目、つまり翅が2枚なのです。
小学校で習うように、昆虫の定義では翅は4枚なのですが、
アブやハエはその内の2枚が退化していて、見たところ翅は2枚だけなのです。
実際には、退化した翅の痕跡が残っています。
アブのつもりでハチを触ったらいけませんので、ハエを捕まえて観察してみて下さい。
大きな翅の下側に、非常に小さい団扇のようなものが付いています。
えっ、見たいけど、そんな都合良くハエがいないって。
出したてウンコを屋外に放置したら、ほんの数分で来ますよ。
但し、ウンコを間接的に触ることになりますが。
( ̄ー+ ̄)