協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2016年06月27日
カラスアゲハ

優雅に飛んでいる黒いアゲハがいたので撮影した。
優雅というのは、飛翔スピードが遅い(羽ばたき数が少ない)という意味である。

160627.JPG

黒い大きな蝶なのでクロアゲハと片づけたくなるが、
国内には、他に黒いアゲハは何種類も存在する。
クロアゲハの他に、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲハ、ジャコウアゲハ、オナガアゲハ...。

発見場所や環境で、ある程度、種を絞ることは可能である。
黒く進化しているだけあり、山間部を主たる棲息場所としている種が多い。

この個体はほぼ間違いなくカラスアゲハのメスである。
緑や青に輝く模様は、カラスアゲハかミヤマカラスアゲハの特徴である。
前翅の外縁の淡い白帯(白っぽく反射しているように見える箇所)が、
前縁に向かうほど幅が広がるっているのでミヤマカラスアゲハではないと判断した。
尾の方に赤い模様があるのはカラスアゲハの場合、メスの特徴である。

個体差が大きいが、もっと青緑色が強く鮮やかで、見とれる位に美しい個体も多い。
また、見る角度により輝き方も異なる。

山間部を好み市街地には少ない種なので(幼虫の食草が市街地に少ない)、
都市部在住の昆虫に興味がない方は本種を見たことが無い方も多いであろう。

【捕獲時満足度】8(10年満点)
市街地ではあまりお目にかかれない貴重さがあり、且つ美しいので高得点。飛び方が優雅(=遅い)であるため、発見時に花に夢中であれば、普通の運動神経の持ち主なら簡単に補虫網で捕獲できる。

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