協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
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2011年03月02日LKM博士
論文のWeb投稿

昨晩の私のツイッターを見られた方は何を苦しんでいるのだと思われたのではないでしょうか?

経験されたことが無い方には、全く理解できないでしょうから、本日は科学ジャーナルへの論文投稿について簡単に書かせて頂きます。

論文は各ジャーナルに投稿規定があります。
それはそれは、細かい規定でして、
タイトルから、要旨、イントロダクション(緒言)、材料と方法、結果、考察、謝辞、引用論文、著者の貢献度、図、表の書き方まで細かく規定されています。
これに従い苦労して執筆するのですが、この件は色々と信じられないような細かい点がありますので、また後日じっくり書かせて頂きます。

とにかく、論文が完成するとジャーナル編集部に投稿しなくてはなりません。
これが、最近は殆どがインターネットを使ったWeb投稿でして、なんだか一筋縄でいかないことが多いのです。
殆どのジャーナルの投稿専用のページは、自分が投稿する原稿の選択、すなわち、原著論文、短報、総説、コメント、書評などを選択するところから始まります。
次は、タイトル、著者、代表著者、所属、要旨、キーワード、研究分野の選択などを記入して行きます。
この辺までは慣れていればストレス無く進むのですが、この後、色々な誓約や質問(例えば、著作権について、カラーの図が入っていたら支払いが生じることの確認や請求先、外部資金をもらっているか?、査読者について)を読んで回答を記入したりします。
何しろ英語、科学的な表現はある程度理解できるのですが、こういう出版界の英語は見慣れない単語ばかりです。
結構大変なので、多くのジャーナルでは、一段階ずつセーブ(保存)ができて、再開する時は、その段階から投稿手続きを始められます。
慣れてないと、この段階までに半日位は要するのではないでしょうか?

さて、ここからが真の問題です。
実際の原稿をアップデートしていき、査読(審査)用の最終原稿をPDFファイルに変換することが多いのですが、これの確認をしなくてはいけません。
文書はWordで作成し、図はPowerPointで作成している研究者が多いと思うのですが、これらを投稿用原稿として理想的な1つのPDFに変換するのが一苦労なのです。
文字化けが発生することもあります。
Wordのバージョン(2003, 2007など)も推奨のものが各ジャーナル異なります。
でも一番困難なのは、図のアップロードです。
昨日の場合、図はTIFF形式に変換してアップデートするよう投稿規定に書かれており、そのようにPowerPointの図をTIFFファイルに変換するのですが、完成してみれば、「画質が低いのでやり直せ」とコメントが出てきます。
編集部の方が、原稿を見て、「画質が低い」と言っているわけではありません。
生意気にもインターネット上のシステムが自動でコメントして来るのです。
相手が機械なので、何がいけないのか相談することもできません。

こうなると大変です。
どうやって高画質のTIFFファイルを作って良いのかわかりません。
考えられる範囲の加工は色々やって再挑戦しますが、全くうまくできません。
投稿規定を読み直しても、殆どのジャーナルはTIFFファイルへの変換方法のような事までは、きっちり書かれていません。
これは、「免許証のコピーを提出するように」という指示だと、「コピーのやり方がわからない」に相当することなのでしょう。

従って、
インターネットを調べて、フリー(無料)の変換ソフトを探し出したりして、途方もない時間を要してしまうのです。

はい、私、昨晩のものは、まだ投稿できておりません。
「今日中にできればよいなー」
と思っておりますが、自信ありません。
昨晩、6時間以上、夜中まで挑戦したのですができなかったため、途方に暮れており、消耗した気力の回復が最優先です。

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