2015年12月11日LKM博士
美しい検量線
多くの生物学の実験での定量(量を測ること)は、
測定が全て終わるまで正しく測定できているか不安なものである。
正しくできていることを確認できる一つの指標が検量線である。
検量線とは、濃度等を定量する際に、
予め量が決まっている標準物質を段階的に希釈して測定し、
試料中の濃度を計算するために用いるものである。
標準物質の濃度を縦軸に、分析値を横軸にすると、
理論的には一直線になる。
(濃度1の時の分析値が1とすると、濃度2の時は分析値が2となるべきであり、濃度4の時は分析値が4となる。そして、その点を結ぶグラフを描くと一直線になる。)
しかし、完璧な一直線にはなかなかならない。
この数年間、私は外出が多くあまり実験をしていないが、
今週はELISAという手法でウンコ中のある物質を測定した。
ELISAとは、ウンコや血液など、色々な成分が混在している試料から、
抗体(特定の物質にのみ反応)を用いて特定の物質のみを測定する手法で、
5年程前は頻繁に実施していた。
その検量線が見事な美しい一直線となった!
(小さな数字は、横軸の値;縦軸の値)
R2=1 !!!
技術力がある人ならばR2=0.99位なら頻繁に出せると思うが、
R2=1(各値が完璧に線上に乗っている)は結構凄いと思う。
手先の器用さも重要だが、丁寧な性格が何より必要である。
少し腕が落ちているかと心配していたが、まだまだ完璧である。
一度身に付けた技術は、そう簡単には失われない。