2009年05月19日LKM博士
腸内細菌はゴミ扱い
連続して「腸は考える」の感想文のようなことを書いてきましたが、今日で最後です。
実は気になることが1つあります。
「腸は考える」では、腸内細菌の話は殆ど出てきません。
おそらく、この本の中での研究の舞台となった1970年代はまだ、
腸内細菌の役割は市民権を得ていなかったからだと思います。
また、生理学と微生物学の壁も高かった時代だったのでしょう。
私が気付いた範囲では、たった1箇所、
モチリンという空腹時に放出されるホルモンの話のところで登場するだけです。
「・・・腸の中には、食物が通過したあとにも、いろいろな物質がたまる。
腸から分泌される液体や粘液、腸の内面から剥げ落ちる無数の細胞、
ふえすぎた腸内細菌など、これでは不衛生だし、
センサー細胞たちもフレッシュな化学刺激を受けにくい。
そこで腸のもろもろの貯留物を一気に送り去ろうと・・・」
(116ページ、10-12行目)
なんと、ただの邪魔者あつかい、ゴミ同然の存在です。(-"-J)
現在の知見では、そういうわけにはいきません。
腸の細胞には腸内細菌の成分を認識するアンテナが何種類も見つかっており、
免疫系に多大な影響を与えているのは常識になりつつあります。
また、
「腸の細胞の機能に影響を与えているのは、腸内細菌が作り出す物質である」
というのが私の持論で、
LKM512の健康増進効果もこれに起因していると考えているからなのです。
そう、このホームページに書いてあるポリアミンも
腸の細胞に影響を与える物質の1つなのです。
ぼちぼちポリアミンの話もしないといけないですね。
乞う、ご期待。