協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2009年04月10日LKM博士
研究者らしく?

2年程前から、営業系のメンバーと仕事をすることが多くなってきました。
一所懸命研究したLKM512というビフィズス菌を売っていこうとしているわけで、
可能な限りの協力はしていきたいと考えています。

その中でも一番多い仕事は、
LKM512の健康増進効果の"わかりやすい"説明です。
これが難しい!
字数制限なんてあると、本当に大変です。
とにかく、殆どの専門用語が使えません。
当然のことですが、何度も失敗してきました。

営業「ここが難しい。簡単にならない?」
私 「じゃーこれでいいですか?」
営業「ダメ、わからん。」
私 「なんで? わからんのがわからん。」
営業「わからんもんはわからん。」
私 「わかろうとしてないやろ?」
営業「1フレーズで何とかして。」
私 「アホか、10年分の研究をそんなに短縮できるわけないやろ。」

なんて会話をよくしておりました。
が、いつの間にか慣れて、できるようになってきました。
今では、殆どケチが付きません。
それどころか、社内向けの講演などでは、
「わかりやすい」
なんて言われることもあります(o^∇^o)

ところが、先日、
LKM512プロジェクトメンバー・営業担当ユージ君がチラシを作っている時に事件は起こりました。

ユージ君に、チラシの最後に私のコメントを載せるので、
3-4行の文章を作って送って欲しいと頼まれました。
忙しかったのですが、締め切りが近いと言うので急いで作って送ったところ、
5分後にメールで、
「もっと研究者らしいコメントを書いて下さいヾ(-д-;)」
と返信が。
その文章がこれです。

"LKM512を食べるとうんちの状態が変化することに衝撃を受け、
一体どんな効果があるのだろうと研究を始めて11年。
とにかくすごい健康増進効果です。まずは体感して下さい。"

うーん、確かにちょっと・・・。

恥ずかしくなり、ちょっと格式を上げて書いたのがこれです。

"11年間の研究で、LKM512が従来のビフィズス菌と比べ非常に強く、
腸内で増えることを発見しました。
また、増えたLKM512の作用機序を詳細に研究し、
腸内で産生されるポリアミンという物質に注目しました。
LKM512が腸に届くとポリアミンが増えて、
その作用で病気の発信源である大腸の機能が回復するのです。
その結果、様々な疾病予防に効果的であることが確認できました。
「科学的に証明されたLKM512」を是非ともお試し下さい。"

合格でした。

しかし、ユージ君は当時まだ1年目の新入社員。
「なんで、あいつにそんなこと言われなあかんねんヾ(。`Д´。)ノ」
と、時々思い出しながら、
研究者がこんな軽いブログを書いていて良いのかと悩んでいる今日この頃です。

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