協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2017年02月09日LKM博士
論文(腸内細菌の代謝物関連)出ました!

かなり苦労した論文が掲載されました。


ここ1ヶ月間は「ミルクde水素」の仕事で忙殺されている中、
静かにリリースも出しました。


教科書的には、このように習ったと思います。

「大腸は水分を吸収する場所だ」

専門的にも、大腸は基本的には水分を吸収する器官で、
他にはミネラルと一部のビタミン類を吸収する程度であるといわれています。


一方で、最新の腸内環境の研究では、
「大腸内で腸内細菌が作った物質が健康に関与している」
と当たり前のように言われています。
私もそのように考えています。


しかし、大腸から水分しか吸収されないなら、
腸内細菌が作った物質が身体に入ることはないわけで、
この考え方は成立しません。


おそらく、大腸からそれなりの種類の低分子物質は吸収されているはずなのです。


そこで、大腸内の物質が、腸管腔内から
腸の組織や血中に吸収されている可能性をマウスで調べてみました。


私がよく使う、
低分子の物質を網羅的に調べるメタボロミクスという技術を用いて。


糞便、大腸組織、血液(門脈血、心臓血)から検出された
数百にものぼる成分を整理して、
大腸管腔内から大腸組織や血液へ移行している可能性のある物質をリスト化しました。


論文はここ(英語アレルギー患者は注意)


個人的には大事な論文の一つです。
気分が乗れば、近い将来、もう少しわかり易く解説ブログを書きますわ。

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