協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
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2016年11月17日LKM博士
日本人は睡眠時間が短い

仕事で文献を検索していたら、
たまたま出てきた論文が少し面白いので簡単に紹介しようと思う。


Science Advanceというジャーナルに掲載されている論文で、
世界の国々の人の就寝時間と起床時間から睡眠時間を比較した内容である。


何が面白いって、このデータ、スマホのアプリで得たデータという点である。
詳しくはわからないが、時差ボケ対策アプリを使って得たデータで、
アプリ使用者の内の賛同者から日々の就寝時間と起床時間のデータを集めたようである。


放っておいても勝手にデータが集まってくるわけで、
しかも、過去にない国際的な膨大なデータで、
アンケート等の被験者の記憶や気持ちが少しは作用するデータと比較して、圧倒的に正確であろう。

研究者にとって、こんなに楽で正確な素晴らしいデータ取得法はない。
今後このようなデータが増えてくるであろう。


それによると、シンガポール人、日本人、ブラジル人は他の国々より短い傾向を示している(この順で短い)。


ただ、私の属する日本人でも、7時間半程度と意外と長いことに驚く。
これは、アンケート形式のデータとは異なり、アプリから送られているデータをベースにしているからであろう。
つまり、アンケートで「大体12時に寝て、目覚アラームは6時なので、6時間」というこれまでのデータではなく、「12:05就寝、(目覚アラームは鳴ったかもしれないが)実際の起床は6:20.故に6時間15分」と算出されるからであろう。
オランダのように長い国は8時間を超えている。


女性は男性より睡眠時間が30分間程度長いようである。
特に30~60歳代と働き盛りにその傾向がある。
生涯の睡眠時間を考えると、相当の差になる。
女性の方が寿命が長い理由はここにあるのかもしれない(私の個人的意見)。


他にも起床・就寝時間、日の出・日の入り時間との関係等、
興味深い沢山のデータがあるが、
睡眠時間を確保するために、この辺りで終わりにする。


本業とは関係ない論文でもあるし。


出典
Science Advance Vol. 2, no. 5, e1501705, 2016
英語であるが、フリーで読むことができる。

最も睡眠時間が短いクラスター(40代、日本人)に属するLKM博士より

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