2013年02月26日LKM博士
Invited speaker
インバイテッド・スピーカー
すなわち招待講演者。
研究者としては名誉なことである。
国内ではよくわからん学会やシンポジウムが沢山あるので、
国内学会に招待されようが大したことではない。
しかし、国際学会で海外に招待されるとなればそれなりに大事である。
2011年のPLoS One(LKM512によるマウスの寿命伸長)
2012年のScientific Reports(腸内細菌がお腹の中で産生している物質の網羅的解析)
の論文にはインパクトがあったらしく、
昨年後半あたりから海外からやたらと声がかかるようになった。
私は未熟で、招待されて世界各国から集まった研究者に話すほど
立派な研究とは思えない(まだ検討課題が多い)ので、基本的にはお断りしている。
また、職場はスタッフ数が少なく、年に何度も私が海外に行ける状況ではない。
そもそも、たまたま誰もやっていなかった研究をやっただけで、身の丈に合っていない。
そしてinvited speakerとしてはあり得ない位、英語のレベルが低い。
しかし、昨年の7月に、どうしても断れない依頼が来た。
それは頼んできた教授との人間関係に起因するのではなく、
(事実、全く面識のない、いや存在すら知らない米国の教授からの依頼であった)
私自身の心の問題、
すなわち、
私の研究の本質に関わる国際会議からの依頼だったので引き受けた。
その教授の秘書に「I accept」と送ったのは、悩みまくって依頼された1週間後。
しかし、送った切りで、それから半年以上、何の連絡もなかった。
「やっぱりなかったんや。何かの間違いで向こうの気が変わったんだ。」
と少しの残念な気持ちとたっぷりの安心を感じていた。
忘れかけていた頃、
国内の学会からその会期中の講演依頼が来たので、
念のためメールで確認したところ、
「もちろんinvited speakerリストに入っている。早くタイトル出して」
って返信が。
まずい・・・。
引き受けたことを後悔し、急に焦り出した私。