2011年01月04日LKM博士の勝手にベストセレクション
卯年
少し遅いですが、明けましておめでとうございます。
今年は卯年ですね。
ウサギは我々の研究でも大事な動物の一つです。
といいましても、あまり薬や食品成分の効果・効能を調べるために使うことは少ないですね。
マウスやラットで試験して、ヒト試験へのスケールアップの流れで、ウサギ実験に移行ということには殆どなりません。
少なくとも私のような研究では、そう言い切れます。
主としてウサギの役割は、抗体を作るためです。
「抗体?」と思われる方も多いと思いますが、そう、免疫と関係している抗体です。
ウィルスに感染したら、それをやっつけるために体内で作られる抗体です。
一度作られると記憶され、2回目以降に同じウィルスなどが入ってきたら、すぐに免疫担当細胞が作り出し、それをやっつける抗体です。
抗体はウィルスなどの抗原(異物)と特異的に反応します。
"鍵と鍵穴"の関係と表現されますが、特定の物質(その殆どがタンパク質)にのみ反応するのです。
ですから、この性質を利用して、生体内の特定の物質のみを観察したい時に、極めて便利なのです。
血液、尿、私なら糞便中のあるタンパク質を定量(濃度を測定)したい時、
あるいは組織(肝臓、腸、脳など)の中のどの部分にタンパク質A(例えば老化やガンに関連する物質など)ができているのか?という実験にも使います。
その調べたいタンパク質を抗原としてウサギに注射し、暫くするとウサギがそのタンパク質に対する抗体を作るので、採血して、それを精製して研究に使うのです。
ウサギはマウスやラットと比べ、多く採血できるので有難いのです。
一昔前は、自分達で目的物質を標的とした抗体を作っていましたが、
今では、ありとあらゆるタンパク質の抗体が販売されていますので、購入できます。
信じられないでしょうが、1 μg(1gの100万分の1)で数10万円するものも多いです。
今日は、ちょっと違う視点でウサギを紹介致しました。
何故か、年明けは研究者バージョンでスタートしましたが、今年もウンコネタは満載で楽しくいきますので、よろしくお願い致します。