協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2016年09月01日LKM博士の勝手にベストセレクション
地理で覚えた首都名が役にたった日

おそらく中学生の頃、世界の国々の位置と首都名を覚えたことであろう。
地理の先生が厳しく、徹底的に覚えた記憶があるが、
今、場所と首都名がきっちり答えられるかといわれると自信はない。
6割位であろうか?
正直、自分が渡航する国なら勝手に覚えられだろうし、
日常生活ではほぼ不要な知識と思っていた。

さて、先日、都内から電車に乗っていると、
色黒で明らかに外国人の若者が周囲に何かを尋ねていた。
日本語が上手くなく、何を言っているか正確に聞き取れず、
皆、必死で彼から逃げている状況。

4年後、この都市の市民はオリンピックで来日した外国人の方々に対応できるのだろうか・・・

と思っていると目が合った。
近づいて来て、同じようなことを言われたが意味不明。
で、得意ではないが英語で聞いてみた。
すると、驚いた顔で、自分の降りる駅は通り過ぎていないかと質問してきた。
まだ、通り過ぎていないことを伝えると安心した様子。
隣席の乗客が駅で降りたら、彼は私の横に座り話しかけてきた。

英会話の練習と思い、私も話すことにした。
その若者は都内の有名私立大に通う留学生で、日本に来て3週間であった。
まだ殆ど日本語は話せない。
出身はスリランカ。

さて、皆さん、スリランカの位置はすぐに出て来ますか?
インドの南東の島、いわゆるセイロン島を国土とする国である。

私がスリランカで思いつくネタはたった一つ。
長い首都名である。
スリジャヤワルダナプラコッテ
長過ぎて、完璧に覚えている。

そこで、「君の国の首都名は、なぜ、あんなに長いのだ?」
と聞いてみた。
すると、怖い位に目を輝かせ大喜び。

来日して3週間、
スリランカといっても国の場所すら知らない日本人が殆どであったのに、
あのややこしい首都名をスラスラと話す日本人は初めだったと思われる。
さらに、ちょうど私が地理で習った年の前年か前々年に、
コロンボからスリジャヤワルダナプラコッテに遷都されたと思えていたので、
「1985年か1984年にコロンボから首都が移動したでしょ?」
と伝えると、驚きまくる若者。

27~28年前に中学校の地理の授業で覚えたと伝えたが、
私の英語力の未熟さもあり、
27~8年前に私がスリランカの中学校に通っていたと誤解したところで目的の駅に到着。

最後に、「これからタイフーンが来るから気をつけろ」と教えて熱い握手をして別れた。

意味がないと思っていた首都名記憶が国際交流に役立った初のケースであった。

前の記事< | トップへ戻る | >次の記事