2012年04月19日実験器具・機器シリーズ
お世話になっている実験器具・機器シリーズ8 ―8連(結)マイクロチューブ,8-strip Microtube―
前回紹介しましたマイクロチューブの連結したタイプを紹介します。
通称「8連チューブ」と呼ばれるこれです。
アップ写真ですが、高さ2 cm程度の0.2 ml用マイクロチューブが8個連なっています。
ちゃんとキャップも8連です。
たぶん、正式名称は8連結マイクロチューブ、あるいは8連結PCRチューブだと思います。
PCRとは遺伝子のある特定部分を増幅させる原理、あるいはそれを用いた手法のことで、生命科学分野で最も頻繁に使用されている技術の一つです。
素人の方に説明するのは困難なのですが(すいませーん m(_ _)m)、
犯罪現場で毛髪1本から犯人を絞り込むと聞いたことがあると思います。
この時の作業の第一ステップの毛髪の僅かなDNAを増やす時にPCRは使われます
と言ったら少しは理解が進みますかね?
このチューブ、大部分の研究者の使用目的がこのPCRなのですが、
通常1サンプルで実施することは殆どありません。
数本ならまだ大丈夫なのですが、10本~数十本レベルになると
直径5mm程度の小さいチューブを1本ずつ多量に扱うのはかなり大変です。
マジック等で印をつけるのも大変ですし、位置で覚えていても、小さいので掴み損ねて落としたり、位置がずれたりリスクも高いです。
そういう時はこの8連マイクロチューブに限ります。
1本目の8連チューブには左からA,B,C,D, E, F, G, Hと試料を入れた。
2本目の8連チューブには左からI, J, K, L, M ,N, O, Pと試料を入れた。
3本目の8連チューブには1本目と同じだが、濃度を1/10にした。
4本目の8連チューブには2本目と同じだが、濃度を1/10にした。
とまとめて操作でき、ハンドリングが良いのです。
この作業、もし1本チューブだと32本のチューブを閉じたり開いたりの大作業になります。
何故、10連でなく8連?
私にはきっちり説明できません。
でも、殆どの研究機器が2のn乗の値、特に8或いは12を単位として成り立っています。
謎ですが、実際に2のn乗の数が実験しやすいです。