協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2012年01月12日実験器具・機器シリーズ
お世話になっている実験器具・機器シリーズ7 ―マイクロチューブ,Microtube―

このシリーズでは2回に渡って試験管を紹介してきましたが、
前回紹介した短い試験管でも
反応液の量は1 mlより少なくなると使い難いです。

また、これらの試験管は高速の遠心分離機に対応できません。
(遠心分離とは、回転により、ある試料に対して強い遠心力をかけることにより、その試料の構成成分を分離する方法です。例えばヨーグルトを遠心分離すると、透明な液であるホエーと沈殿するカゼインに分離します。詳細はまた別の機会に紹介致します。)

そこで汎用されているのがマイクロチューブです。
マイクロ(micro)とは(極端に小さい)という意味ですから、「小さい試験管」という意味です。
20120112.JPG

標準的なもので、左から1.5 ml、0.5 ml、0.2 ml用です。小さいでしょう。
0.2 ml用は数μl(μl=1 mlの1/1,000)程度しか入れないことも多いです。

殆どのマイクロチューブは材質がポリプロピレンでできていることから、
強度があり(そう簡単には壊れない)、耐熱性、耐薬品性に極めて優れており、
何にても使える素晴らしい実験器具なのです。
また、安価で、1000本で2500円位のものが多く(まとめ買いやキャンペーン中に購入するともっと安い)、1本が数円程度で使い捨てです。
我々の研究分野でこれを使っていない研究室は存在しないと思います。

試験管同様、実験試料の反応にも使えますし、
密閉できる蓋が付いていますので、貴重な試料をマイクロチューブに入れて冷蔵あるいは冷凍保存もできます。
この部屋ではマウスやラットのウンコは、1.5 ml用チューブで冷凍保存しています。
使い捨てでコンタミリスクも少ないので試料の希釈にも使いますね。
これは使用者により色々な使い方があるので、語り出すと切がないです。

ちなみに、エッペンドルフ(Eppendorf)社製が最初に世に広まった(?)のか、
マイクロチューブ全般の通称として「エッペンドルフ」ということも多いです。
私は略して「エッペン」と呼んでしまいますが、老舗のEppendorf社製は若干高いので使ったことはありません。

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