2011年10月25日実験器具・機器シリーズ
お世話になっている実験器具・機器シリーズ5―試験管(Test tube)―
理科の実験といえば試験管をイメージする人も多いでしょう。
殆どの方が知っている器具ですが、英語ではそのまま"テスト・チューブ"というのはご存じでしたか?
ガラス製で、細長い円筒型で底がU字型(平底のものもありますが、U字型の方が衝撃などに強い)、上側は開放系になっているのもが一般的ですね。
試験管は、少量の試料を入れて、その中で目的の反応を起こすための器具です。
大きさは長さが4-5 cmから20 cm程度、直径は7-8 mmから20 mm程度のものが一般的ですが、これは私の分野の話であり、異なる分野では、もっと多いものや太いものもあります。
私の場合、微生物を培養すること使うのが殆どです。
液体培地(微生物が育つのに必要な栄養が入った液)、或いはそれに寒天を入れ固めて、微生物を接種して培養します。
ですから、他の雑菌が試験管に入らないように蓋が大事になります。
被せるだけのアルミキャップの他、綿栓(自分で作ります。通気性が良い)、同じように通気性が良いシリコ栓、空気を絶対通さないブチル栓など、目的に合わせて使い分けます。
ちなみに試験管の上部の口の部分ですが、
加工していないものを"直口"といい、
リング状に肉厚にしてあるものを"リム付き"といい、耐久性を高めています。
リムは英語のrimで縁や枠という意味ですね。
この写真では左が直口、右がリム付です。
私のように、栓を試験管にねじ込んで蓋をするタイプの研究者は、
栓をする時に強い力がかかる場合がありますので、リム付を使います。
でないと、栓をしている時に割れて手に大怪我をする可能性がありますから。
意外と奥深いのですよ。
ふと、"直火や熱湯で加熱される試験管"と"ウンコを入れられる試験管"のどちらが幸せなのかと考えてしまいました。