協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2015年10月27日実験器具・機器シリーズ
お世話になっている実験器具・機器シリーズ15 ―実験用手袋(使い捨て)―

我々の研究分野で、これを着けたことのない人はいないであろう。
使い捨ての実験用手袋
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生物学的試料を詳細に分析するにあたり、
手に付いている皮脂や汗は汚染源であり分析データを狂わす大敵である。

例えば、遺伝子の発現を調べる際は、RNAを抽出し量を測定する。
このRNAはRNaseという酵素があれば分解されてしまうのであるが、
この酵素が混入する最大の汚染源の一つが実験者の手の汗や皮脂である。
従って、手袋着用が必須となる。

動物実験をする時も、手袋は必須である。
動物の汚染予防と同時に、実験者の身を守るためでもある。
学生時代はマウスを素手でつかみ、噛まれて大流血することが多々あった。

各種メーカーから色々な素材の手袋が出ており、全てを把握するのは不可能である。
そんな中で、私のお気に入りはこれ。
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フィット感があり、実験器具が滑り難く、違和感なく使える。
ラテックスという素材で、酸やアルカリの試薬などにも比較的強い(はずである)。
ティッシュペーパーのように、箱に詰め込まれており1枚ずつ引っ張り出して使う。
定価で100枚/箱で1700円。
1枚17円である。
この価格が高いのか安いのかは全くわからない。

私は、これを装着する際に、何となく殺人事件を連想してしまう。
これから殺人事件を起こす犯人になった気分になる・・・。

ラブストーリーよりミステリーが好きな研究者より

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