協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2011年12月13日野菜作り
2011年版野菜作ってます28 ―ニューオーツ(えん麦)で土壌改良―

私のダイコンは結構立派で驚かれるのですが、ちょっとその秘密を書きましょう。


201112131.JPG

このダイコン、私の畑では一般的なサイズですが50 cm位あるのがわかると思います。

実は、ダイコンを育てる土壌は、数か月前から準備をしているのです。

ダイコンは、地上では葉がチョウやガに狙われていますが、
土壌中にもセンチュウという敵がいます。
これは難儀な存在で、この被害に会うと、表面がかじられ黄色っぽく傷付きます。
楽しみにして引っこ抜いて被害にあっていたら、かなり残念な気持ちに陥ります。
見栄えが悪く、たぶん味も悪くなっていると思われ、価値は著しく落ちます。
スーパーには並ばないレベル、良くても半値以下になるのではないでしょうか。

土壌中の害虫を殺すのは、葉や茎を狙う害虫より困難です。
視覚的に確認できないため、ピンポイントで退治することが不可能です。
従って、農薬で対応するなら土壌深くまで浸透させないといけませんので、相当量を土に撒くしかないでしょう。
そんな農薬が浸み込んだ土壌で育った野菜は食べたくないですよね。

しかし、ニューオーツ(えん麦)を生やすと、土壌に何か成分を出して、センチュウを退治できるのです。
(すいません、どんな成分なのかは調べていません。)
ですから、冬ダイコンを植える場所には、初夏から真夏にかけて、
春まきダイコンを植える場所には秋から冬にかけて、
ニューオーツを植えてセンチュウを退治しておきます。

201112132.JPG

こんな感じです。
発芽さえすれば、放っておいてもドンドン生育します。
夏場だと私の胸位の高さになりますので1 m位ですかね。

また、ダイコンは土壌が柔らかければよく育つと言われています。
地中に20-30 cmも伸びていくわけですから、よく考えれば当たり前です。
土壌の物理的改良にもニューオーツは役立ちます。

大根を植える1-2か月前にニューオーツを切り倒し、土にすき込みます。
写真(切り倒したニューオーツ)
植物体は細いので、土に馴染み易く有機肥料となり、フカフカ柔らかい土壌になるのです。
よく耕して種をまくと、ダイコンがしっかりと地中に伸び、立派に大きく育つのです。

種まき前から結構手をかけて育てているのですね。
でも、直径12 cm越え×長さ40 cm超えの立派なものが10本もできたら食べ切れないという悩みが出てきますが...。

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