協同乳業研究所 農学博士 松本光晴のブログ

ビフィズス菌LKM512研究スタッフ松本光晴博士が
お腹のためになる情報をお届けします。

2017年03月01日ウン小話
ウン小話55

先々週から発売を始めました『ミルクde水素』。
飲んで頂いただろうか?


その商品開発時の実験の残骸が、少々恐ろしい状態になっている。


その恐ろしい"ブツ"である。

170301.jpg

一見、そんな恐ろしいものには見えないだろう。


これは、ガラス瓶の中に小さな試験管が入ったものである。
その試験管には、私のウンコと「ミルクde水素」が入っている。
酸素を含まないガスに置換され(※1)、
ブチル栓(※2)で密封し、37℃で培養したものである。


ウンコ培養と表記すれば、
一般の方々は少々異様さを感じるかもしれないが、
我々にとってみれば日常の一コマに過ぎない。


しかしながら、これの特筆すべき点は、実際の試験が終了後、
「このまま放置していたらどれ位に水素ガス濃度が上がるのか?」
と思ったまま、忘れて放置していた点にある。


ちょっとした遊び心であったが、もう遊びのレベルではない気がする。
3週間以上培養されたウンコである。


ウンコ慣れしている我々にとっても、これは異次元のウンコなのである。


蓋をあけるのは、正直、恐怖を感じる。


どんな臭気なのか?


まさか爆発するなんてことは・・・。


誰が片付けるのか?


駆け引きが始まった・・・。


※1 容器内の酸素を無くすためである。大腸内は嫌気状態(酸素が無い)のため、
腸内細菌の培養実験は、酸素を除去して行わねばならない。

※2 水素ガスを通し難い素材。ゴムやプラスチックの蓋だと、分子量が2と非常に小さい水素ガスは通り抜け容器外部に抜けるため正確な測定ができない。
一般的に、市販の水素水(水素ガス溶存水)には水素ガスが表示量入っていないものが多いという問題は、これに起因している。
また、ブチル栓には、先が針状になったシリンジを挿して、内部の気体を採取できる利点もある。

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