研究成果
大腸癌組織や唾液検体中のフソバクテリウム・ヌクレアタム( Fn )を 菌株レベルで検出する手法を開発、大腸癌に口腔内と同一菌株由来の Fn が侵入していることを確認
協同乳業株式会社(本社:東京・中央区/社長:宮﨑 幹生)の松本光晴主幹研究員らは、横浜市立大学肝胆膵消化器病学の日暮琢磨講師、中島淳教授、理化学研究所の服部正平客員主管研究員、須田亙チームリーダーらとの共同研究で、大腸癌の増悪化に関与しているFusobacterium nucleatum(フソバクテリウム ヌクレアタム,以下F. nucleatum)に関する菌株(※1)レベルでの研究を大幅に進展させました。具体的には、同一大腸癌患者の大腸癌組織および唾液から分離したF. nucleatumが同一菌株に由来することを全ゲノム解析で確認しました。さらに、生きた菌を分離・培養しなくても、凍結保管していた大腸癌組織や唾液検体中に存在するF. nucleatumを菌株レベルで検出する新たな手法(ジェノタイピング法)を開発しました。この研究成果は、American Society for Microbiology(アメリカ微生物学会)の発行する学術誌「Microbiology Spectrum」に10月11日にオンライン公開されました。
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※1 菌株:同一種内の生物個体のことであり、ヒトの場合、各個人に該当する。菌株毎に特徴や能力に差が認められる。